麻雀番組視聴録

麻雀番組Mリーグ,RTDリーグの事など

溜息

 ああ、またか。

 10/5のMリーグ第7戦、18,000確定立直が空ぶった後の東3局、ラス目のU-NEXT・石橋pは親リーチを受けながらも混一色でドラを含む危険牌を何枚も通していく。それでも残りツモ番1回、無筋の4ソーを掴みこれは切れないと發で渋々降りた次順のラスヅモ、まさに前順まで和了牌だった發を最悪のタイミングでツモった場面を見て、多くの石橋ファンが思ったことだろう。

 

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 Abema 麻雀チャンネルで"不運な局ランキング"を作れば、石橋pが数多くランクインするように思う。

 RTD2017では2度の国士放銃。

 RTD2018で"勝又サービスセンター"の語源となった局では、トップ目の勝又pにあえて和了牌を示す空切りを行いファインプレーかと思われたものの、これが仇となり、前に出るしかなかった平賀pに流石にこれはと和了牌を止められ、結果、着順を落とす。

 他の選手にももちろん不運だった局は有るだろうが、こうパッとは思いつかない。

 

 若くして、最高位,發王,MONDO杯というビッグタイトルを獲得したものの、RTDで3年連続、大きくマイナスするなど、ここ数年は数々のチャンスを与えられながら結果を出せていない。それでも、ここまで"たかが"麻雀に深い考察がなされるのかと、徹底した戦術書でありながら、ある種の感動すら感じる、石橋pの著作,"黒いデジタル麻雀","進化するデジタル麻雀"を読んで、誰が石橋pが弱いと、少なくとも努力していないなどと思うだろうか。石橋pほど純粋に麻雀が強くなりたいという気持ちを持っているプロは数少ないだろう。

 

 もちろん、昔はツイていただけ、センスがないというだけかもしれない。それでも、不調に理由を見出そうとするなら、あまりに強さを追い求める姿勢、「勝つためにできることはなんでもする」といったストイックさが無情にも結果を遠ざけているように思えてしまう。思えば、RTDリーグのベテラン勢、多井p,瀬戸熊p,村上p,たろうp、強さに拘る彼らの中でも、勝つためになんでもすると公言するのはたろうpだけだろう。「なんでもする」、言うのは簡単だが、面前で進めれば手が遅れ、鳴けば安くなり守備が落ちる麻雀においては、勝つためだけなら、限られた人生、いっそ特定の技術にだけ特化してしまった方が良いかもしれない。

 

 そんなことは、現代的な麻雀からすれば異端といっていい程、副露率の低い、それでも結果を出してきた同団体の村上p、そして他団体の瀬戸熊pに対し、学ぼうとする姿勢やリスペクトを解説などで明らかにあらわしている石橋pの方がよっぽど分かっているだろう。それでも、結果に繋がらなくとも、石橋pはこれから先も彼の思い描く強さのためあらゆる技術を磨いていくだろう。村上pを称して、良く麻雀バカといわれるが、黒いデジタルと称される石橋pもまた、形は違えどもその類の男なのだろう。

 

 10/9の第11戦、ラス目で迎えたオーラス、18,000も有る親の仕掛けを必死に躱して、ラス回避した片上がりタンヤオ三色赤を見て、ああ、如何にも石橋pらしいなと、そんな風に思わされた。

 

以上